★データ解析備忘録★

ゆる〜い技術メモ

Windows10にSAS University Edition を導入してみた -無料でSASを使う-

僕が通う大学ではそもそも無料で製品版SASをインストール&使用できるのですが、ノートパソコンにしか入れられません。ですが、家で作業するときは普通デスクトップでやるのでデスクトップにSASを入れたい!ってことでSAS University Editionを導入します。

SAS University Editionとは

利点

  • SASのBase、STAT、IML、ACCESSが無料で使える
  • 常に最新版のSASが使える
  • University Editionってあるけど非営利なら学生でなくても使える

欠点

  • PCのスペックがそれなりに必要(メモリ4GB以上)
  • 後述しますがファイルを置ける場所がVirtual Boxでローカルと共有したフォルダのみなのでUSBとかのデータはいちいちローカルに移さなきゃいけない
    研究とかで大規模データを扱うにはPCの容量がかなり必要
  • 起動が遅い
  • 仮想マシンを立ち上げブラウザ上で操作するので計算がちょっと遅いらしい
  • 製品版ではないのである程度制約がある(SAS/GRAPHがない→proc gplotが使えない、設定ファイルがいじれないから内部でRを動かしたりできない、など)。
  • 文字コードがUTF8のみWindowsの製品版はShift-JISなのでそれを使ってる人とやり取りすると文字化けする。)

導入環境

僕のPC環境です。

  • Windows10
  • Corei7
  • メモリ8GB

導入手順

Virtualboxを準備

SAS University Editionは仮想環境で動かすため、VirtualboxあるいはVMwareが必要です。
今回はVirtualboxでやってみます。

もう入れてる人はもちろん必要ありません。
親切なことに、SAS University EditionのダウンロードサイトからVirtualboxとかも入れられるようになってます。
www.sas.com

「今すぐ入手」をクリックするとローカルでやるかAWSでやるか聞かれますが今回はローカルでやるので左をクリックf:id:songcunyouzai:20160102220541p:plain

自分のOSにあったVirtualboxをインストールしてください。

SAS University Editionをダウンロード

Virtualboxを入れたらSAS University Editionをダウンロードします。
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このときSASユーザーアカウントが必要なので、持ってる人はログイン、持ってない人はアカウントを作ります。

重たいので10分くらいかかります。

SAS University Editionの設定

SASファイルを保存したい場所に「SASUniversityEdition」という名前のフォルダを作ります。さらにそのフォルダの中に「myfolders」フォルダを作ります。

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VirtualBoxを起動。「ファイル」から「仮想アプライアンスのインポート」を選択。
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ダウンロードしたイメージディスクを開く
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まだ起動せず設定をクリック
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設定画面共有フォルダータブをクリックして共有フォルダの設定をクリック
フォルダーのパスで、先ほど設定した「myfolders」を選択し、「自動マウント」にチェックを入れます。
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起動
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アドレスを覚えておきます(画像では http://localhost:10080 の部分です)

ブラウザを開いてURLを入力。「SAS Studioを始める」をクリックして起動
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無事に起動しました。

コードを動かしてみる

今回は離散選択モデルをベイズ推定するプロシージャーの「bchoice」のサンプルコードを動かしてみます。

試してみるのはプロビットモデルのサンプルコードです。
モデルの説明とコードは下記の公式サポートにあります。(英語ですが)
SAS/STAT(R) 13.1 User's Guide

SAS/STAT User's Guide Example Programs

これをコピペしてrunします。

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待っていると結果が出ました。

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サンプルコードなだけにパラメーター収束もきれいです。

SAS StudioはR Studioなどのように、出力結果をエクセルを開かなくてもみられるようになってます。フィルタリングとかもできます。
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この機能地味に重宝しそうです。